【愛がイク】 (63) パンツ履かな、おいど風邪ひくで
四百字詰原稿用紙換算13枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。
登場人物
佐治(21)蛇のような目をした2mの巨人。スキンヘッドの頭と顔も含め全身に耳なし芳一のようにお経の入れ墨をいれ、1個がゴルフボール大の玉を繋いだ長い数珠を首にぶらさげ、なんともいえず不気味な容貌。
A 佐治の子分で空手部。悪相
B 同じく悪相
栗栖 2mの巨人、恐ろしい人相
舞 三年生。ごく普通顔

N=ナレーション&呟き
○『三田高校』校門
まばらに下校する生徒の中に栗栖(上はジャージ)がいる。
栗栖の背後から声、
「おい栗栖」
振り向くと道着を着たA、Bがいる。
栗栖「(睨み)今わしのこと呼び捨てにしたか?」と言われA、B怯む。
栗栖「わしゃもう二度と空手はせんのじゃ。誘うてもムダじゃ」
A 「(少し怯え)けっ、だれがお前みたいな負け犬を誘うか、ぼけ」
B 「主将の佐治さんがお呼びじゃ」
A 「断ったら授業中に教室に乗り込まれて面倒な事になるぞ」
栗栖、険しい眼光で二人を睨む。
空手部部室の外観。
注、部室は校舎の裏手にあり見るからにすさんだ雰囲気が漂っている。
同、部室内
そこら中に空の一升瓶が転がり窓ガラスも所々割れてる荒んだ室内の絵。
裸にふんどし一丁で首に数珠を巻き、目を閉じ腕組みをして胡坐をかいた佐治の前で、犯された裸の女生徒、舞が涙を流して「うぅぅぅ・・・」とむせび泣いてる大ゴマ。
注、舞の横に脱がされたカッターシャツ、スカート、ブラ、パンツあり。
佐治の前に立ち両手をポケットに入れたまま泣く舞を見下し、
栗栖「・・・用事ゆうのはなんじゃ?」という絵に栗栖のN『高1の時にやくざを2人殺して少年院で五年打たれたちゅう話じゃが・・・』
墨が入った瞼を閉じた無言の佐治の不気味な顔の絵に栗栖のN『ちゅう事
は・・・なんじゃい、もうオッサンやないけ。ようこんなんを復学させよったのう・・・』
無言の佐治を見て、
栗栖「お前、難聴らしいの。補聴器をこうたらまた呼べや」と帰りかける。
かっと目を見開き(蛇の目の様でなんとも不気味)、
佐治「まちやー」
栗栖、不敵な表情でゆっくり振り向く。
佐治「岩城とかゆう坊主にぶざまにやられた 栗栖ちゅうのはわれかー?」
栗栖、無言で睨む。
佐治「あげくに空手部のOBに狙われて大阪におれんようになってここに転向して来たらしいのー?」
栗栖「お前は興信所か?」
手招きし、
佐治「話が遠いわい、まあ座れや」
舞を抱き起し、
栗栖「この子を帰したってくれたら座ってもええがのう・・・」
舞、はっと栗栖を見る。
佐治「女をこまして半殺しにされたわれの言葉とは思えんが、まあ好きにしいやー」
栗栖、震えてすがるように彼を見つめる舞の肩に自分のジャージをかけてやる。
同、部室の外、
舞に着せてやったブカブカのジャージのファスナーを上げてやり(カッターを着てスカートも履いている)、
栗栖「ほな行き。もう、こんなとこへ近づいたらあかんぞ」
涙を流して首を振り、
舞 「一旦目をつけられたら最後、どこに逃げても・・・」
怯える舞を見つめ愕然とし、
栗栖(わしも久美子にこの子とおんなじ思いさせたゆう事か・・・)
尚も愕然とし、
栗栖(わしゃ、なんちゅう事をしたんじゃい・・・)
舞 「・・・もう一生あの人からは逃げられない・・・」
栗栖「・・・分かっとる」
栗栖「じゃが、わしが何とかしたるさかい心配すな」
栗栖を見てあ然とし、
舞 「ほんとに・・・?」
栗栖「ああ、ほんまじゃ」
ばっと栗栖に抱きつき、
舞 「このご恩は一生忘れません・・・」
栗栖「(赤面し)れ、礼を言われとうてやるんとちゃうわい。はよ行き」
部室の天井の絵。
互いに向かい合って胡坐をかき、
佐治「ガラにもない善行を施して、お前、自分でさぶいぼたたんかー?」
佐治「まあそりゃどおでもええが、単独で岩城をブチ殺すのは訳無いんやがー」
栗栖、ふと目の前で丸まった舞のパンツに目を留める。
佐治「わしゃ、あいつを仕留めるとこをテレビで全国中継されたいんやー」
栗栖、パンツを握る。
それをポケットに入れる。
佐治、蛇のような目でそれを見る。
佐治「あいつが出場せなテレビはきょらんやろしー」
佐治「何とか岩城を試合に引きずり出すええ手を教えてもらいとおてお前を呼んだんや
ー」
栗栖「そのお経みたいに語尾を伸ばすのやめや、気色悪うてかなわんわいや」
佐治、蛇の目で栗栖を見つめる。
栗栖「あいつは部員やないし、そりゃ無理じゃろうのう」
栗栖「そもそも、わしやお前とは次元の違うやつなんじゃ」
佐治「(睨み)もう一回聞くでー」
佐治「ほな妙案はないちゅうことかのー?」
栗栖「(睨み)そおゆうことじゃのう」
右手を胸元に立て、
佐治「厭離穢土、欣求浄土 (おんりえど ごんぐじょうど)この世はいやだー、あの世へいきたいー」と唱える不気味な絵。
佐治、突然横に立ててあった新品の一升瓶をバッと握る。
一升瓶で「パカーン」と頭を横殴りにされ、栗栖が「ぐあっ」と叫ぶ。
ゆらっと立ち上がり、
佐治「妙案がないやつにゃ用がないのー」
佐治「やっぱり、われがやったように岩城の学校の女をいてこますしかないみたいじゃのー」
栗栖、顔面血だるまでふらっと立ちあがる。
次の瞬間、佐治に目にも止まらぬ速さで喉輪をかまされ「かっ」と叫び吹っ飛ぶ。
佐治、後頭部から倒れた栗栖の左腕を素早く取る。
一瞬で十字固めをかけられ、
栗栖「うがあーー」
「ポキッ」と腕を折られ、
栗栖「ぎええーー」と断末魔の悲鳴を上げる。
夕焼け空の絵。
栗栖が左腕をブラブラさせ、よろめいて部室の外に出てくる。
舞が必死の形相で駆け寄り栗栖の肩を抱き、
舞 「栗栖君っ!・・・」
栗栖「(驚き)なんじゃ、まだおったんかい?」
舞 「心配で堪らなかったの。私のためにこんな酷い目に・・・」
栗栖「可愛い子は暗うなる前に家に帰るもんじゃ」
舞 「(ぽっと頬を染め)舞みたいに汚れた女なんか誰も相手にしないわ・・・」
栗栖「舞ゆうんか?可愛らしい名前じゃのう」
舞、赤面してあ然。
舞に肩を抱かれて歩きながら、
栗栖「お前はちっとも汚れとらんぞ・・・」
舞 「(悲しげに俯き)・・・けどまた明日からあいつの玩具にされる・・・」
栗栖「当分それは無いから安心せえ」
栗栖「お前には分からんやろが、それが暴力の微妙な力関係ゆうもんなんじゃ」
あ然と彼を見つめる舞に、
栗栖「その力関係が崩れる前にあの気色悪い入道を倒してしまわにゃの」
舞 「(ぷっと吹き)入道・・・」
舞 「あいつにぴったり。ほんとに気持ちの悪い海坊主なんだから」
笑顔の舞を見て驚き、
栗栖「笑顔がめっちゃ可愛いのう・・・」
舞、赤面してあ然。
夜、米田整骨院の外観。
アームホルダーで左腕を固定した栗栖と舞が整骨院から出てくる。
○栗栖宅
二階建てコーポの外観にN『栗栖宅―』
同、すっきり片付いた六畳の室内。
床に胡坐をかいた栗栖のこめかみに薬を塗りながら、
舞 「ほんとに御免ね・・・」
栗栖「もうええからはよ帰らな親が心配しよるで」
栗栖「お、そや」とポケットに手を入れる。
パンツを出し、
栗栖「パンツ履かな、おいど風邪ひくで」
頬を染めてパンツを受け取り、
舞 「あ、有難う、気が動転して履いてない事に気がつかなかった・・・」
恥ずかしそうに上目づかいに栗栖を見つめ、
舞 「なんか変な事しなかった・・・?」
栗栖「(キョトンとし)変な事てなんや?」
舞 「(頬を染めて焦り)うぅん、いいの・・・」と言ってパンツをジャージのポケットに入れるのを見て訝し気に、
栗栖(何でいま履かんのや・・・?)
意味ありげに見つめ、
舞 「・・・なにか私にして欲しい事はない?」
天井の絵に二人の、
「・・・」
「・・・」
栗栖「(頬を染め)もし・・・嫌やなかったら・・・」
伺うような目で見つめ、
舞 「嫌じゃなかったら・・・?」
栗栖「乳吸わしてくれへんか・・・」
舞 「(赤面し)え・・・」
舞、恥ずかしそうに俯く栗栖をじっと見つめる。
舞 「こんな汚れた女の乳でもいいの・・・?」
栗栖「何回も言わすな。お前はちっとも汚れとらんし・・・」
栗栖「(照れ)わしゃ、お前みたいなタイプ好きじゃ・・・」
舞、目じりに涙を浮かべあ然。
天井の絵。
注、舞はスカートは履いてるし栗栖も服を着たまま。
カッターシャツの胸をはだけて横になった舞の乳に栗栖がエビのように背を丸めて横たわり、目を閉じて乳に吸いついている。
目を閉じて乳をチュウチュウ吸う栗栖を、舞は恥らいながら慈愛のこもった目で見つめる。
舞 (てっきりヤルのかと思ったらこんな赤ちゃんみたいに無心に乳を吸って・・・)
舞 (幼いとき母親の愛情に恵まれなかったのかしら・・・)
ノーパンの割れ目が見えそうで影ではっきり見えない絵に舞の声、
「栗栖くん・・・」
恥ずかしそうに頬を染め、
舞 「やってもいいよ・・・」
栗栖「(目を閉じたまま)・・・」
舞 「ねえ、聞こえた?・・・」
栗栖「(目を閉じたまま)・・・わし、試合で急所潰されてしもうて・・・」
栗栖「(目を閉じたまま)しとうても出来んのや・・・」
舞、驚く。
ぎゅうと栗栖の頭を抱きしめ、
舞 「出来なくてもいいから舞とつき合って・・・」
二階の明かりが点いた栗栖の部屋をベランダの外から見た絵。
つづく